幹細胞エクソソーム とは?

幹細胞の内外には「エクソソーム(exosome)」と呼ばれる微細な小胞がある。エクソソームは1983年に発見され、生命科学の領域で研究が進み、
さまざまな生理機能や病態発症との関連が示唆されるようになった。既に医療分野では、体液を用いた新たな診断方法に結びついており、
今後、再生医療での活用に期待が寄せられている。

エクソソームの内部にはマイクロRNAという短い遺伝子配列が入っている。マイクロRNAには端的な情報が書かれており、その情報こそが幹細胞の効果ではないかと言われている。UC Sandiego 大学の研究では「幹細胞は脱核させても同じような薬理効果がある」ことを報告しており、それは幹細胞の薬理作用の本体はエクソソーム等のEVであるということを意味する。。また、エクソソームは細胞に由来する自然由来であり、すでに人体内に多く存在していて副作用が低いとされ、細胞治療と比べても優位性も認識されるようになっている。

エクソソームの仕組み

エクソソームの内部にはマイクロRNAという短い遺伝子配列が入っている。マイクロRNAには端的な情報が書かれており、その情報こそが幹細胞の効果ではないかと言われている。UC Sandiego 大学の研究では「幹細胞は脱核させても同じような薬理効果がある」ことを報告しており、それは幹細胞の薬理作用の本体はエクソソーム等のEVであるということを意味する。。また、エクソソームは細胞に由来する自然由来であり、すでに人体内に多く存在していて副作用が低いとされ、細胞治療と比べても優位性も認識されるようになっている。

当院で作成したエクソソームの流れる様子

注釈:エクソソームは従来はほぼ見えないので、レーザーをエクソソームに当てて反射させて視認できるように撮影している。反射の大きさは粒子の大きさや反射の角度に依る。
しかし、1996年に、エクソソームが他の細胞に物質を輸送する機能を持つことが発見された。さらに2007年には、エクソソームの中に大量の遺伝子複写情報(以下 マイクロRNA)があり、エクソソームは細胞間の情報伝達、メッセージツールとして機能していることが明らかになった。

MSCエクソソーム治療

引用:Venkat P, Chopp M, Chen J. (2018) Cell-Based and Exosome Therapy in Diabetic Stroke. Stem Cells Transl Med

間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cells;MSC) 由来のエクソソームが、近年MSCの細胞治療効果のメカニズムに、
重要であることが多くの論文で発表されている[1,2,3,4,5]。

幹細胞治療のメリットは、安全性・有効性でのリスクが明確で、また法規制も整っており、臨床までの道筋が明らかな点が挙げられる。
デメリットは、特に血管内に投与する際には塞栓などの注意が必要になる点、幹細胞の生着部位により効果が変わってしまう(目的を狙えない)、
患者の年齢などにより幹細胞の培養品質に差が出ること、などがある。

エクソソーム を幹細胞治療と比べると

・エクソソーム自体が細胞分泌成分を分離精製したものであり、細胞治療の様に投与細胞の局所での状態によって治療効果が影響を受けるようなリスクがないこと
・細胞よりもサイズが小さいため塞栓の可能性が理論上低いこと
・標的組織への移行性が良いこと
・細胞治療と比べ複数投与が可能であること
・エクソソームは定量化が容易であること(粒子数)

・細胞投与に必要な細胞数よりも大量の細胞数が必要なこと
・品質管理、製造管理がまだ標準化されていないこと

2019年のISEVの機関誌であるJournal of Extracellular Vesicles にはMSC由来のエクソソームに関する治療に定義付けを行っている[6,7,8]が、当院で行う治療目的のMSCエクソソームの規格や特性評価に関しては、日本再生医療学会の提示する方法に準拠している。
参照:エクソソーム 製造管理の一例(日本再生医療学会)

※エクソソーム等の調製・治療に対する考え方(一般社団法人日本再生医療学会 2021/3/10)

  1. Allan D, Tieu A, Lalu M, Burger D. Mesenchymal stromal cell-derived extracellular vesicles for regenerative therapy and immune modulation: Progress and challenges toward clinical application. Stem Cells Transl Med 2020; 9(1):39-46.
  2. Rohde E, Pachler K, Gimona M. Manufacturing and characterization of extracellular vesicles from umbilical cord-derived mesenchymal stromal cells for clinical testing. Cytotherapy 2019; 21(6):581-592.
  3. Witwer KW, Van Balkom BWM, Bruno S, Choo A, Dominici M, Gimona M, et al. Defining mesenchymal stromal cell (MSC)-derived small extracellular vesicles for therapeutic applications. J Extracell Vesicles 2019; 8(1):1609206
  4. Elahi FM, Farwell DG, Nolta JA, Anderson JD. Preclinical translation of exosomes derived from mesenchymal stem/stromal cells. Stem Cells 2020; 38(1):15-21.
  5. Tsuchiya A, Takeuchi S, Watanabe T, Yoshida T, Nojiri S, Ogawa M, et al. Mesenchymal stem cell therapies for liver cirrhosis: MSCs as “conducting cells” for improvement of liver fibrosis and regeneration. Inflamm Regen 2019; 39:18.

 

  1. Lener T,Gimona M, Aigner L, Borger V, Buzas E, Camussi G, et al. Applying extracellular vesicles based therapeutics in clinical trials -an ISEV position paper. J Extracell Vesicles 2015; 4:30087.
  2. Thery C, Witwer KW, Aikawa E, Alcaraz MJ, Anderson JD, Andriantsitohaina R, et al. Minimal information for studies of extracellular vesicles 2018 (MISEV2018): a position statement of the International Society for Extracellular Vesicles and update of the MISEV2014 guidelines. J Extracell Vesicles 2018; 7(1):1535750.
  3. Dominici M, Le Blanc K, Mueller I, Slaper-Cortenbach I, Marini F, Krause D, et al. Minimal criteria for defining multipotent mesenchymal stromal cells. The International Society for Cellular Therapy position statement. Cytotherapy 2006; 8(4):315-317



DMに対するExsm臨床治験

NCT03106246

Circulating Extracellular Vesicles Released by Human Islets of Langerhans

McGill University Health Center

CHU de Quebec-Universite Laval

NCT03660683

Effect of Saxagliptin and Dapagliflozin on Endothelial Progenitor Cell in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus

Sabyasachi Sen|George

Washington University

NCT03250078

A Pancreatic Cancer Screening Study in High Risk Individuals Including Those With New-Onset Diabetes Mellitus

Western Connecticut Health 

Network

NCT02649465

SGLT2 Inhibitor Versus Sulfonylurea on Type 2 Diabetes With NAFLD

Kanazawa University

Kowa Company, Ltd.

NCT02138331

Effect of Microvesicles and Exosomes Therapy on ホイ-cell Mass in Type I Diabetes Mellitus (T1DM)

General Committee of Teaching Hospitals and Institutes, Egypt

NCT03027726

Prevention of Diabetes in Overweight/Obese Preadolescent Children

Basque Country University

Ministerio de Competitividad, Spain

NCT03392441

Insulin Deprivation on Brain Structure and Function in Humans With Type 1 Diabetes

Mayo Clinic

 

Obesityに対するExsom臨床治験

NCT03459703

Effect of Time-Restricted Feeding on Fat Loss and Cardiometabolic Risk Factors in Overweight Adults

University of Alabama at Birmingham

NCT03762629

Exercise and Diet Restriction on Cardiovascular Function in Obese Children and Adolescents

Guangzhou Sport University



エクソソームと細胞上清ってどうちがうの?

エクソソーム は培養上清をさらに高度遠心分離をかけ抽出した100nm以下の小粒子である。当院では Beckman Coulter Optima XEという高度遠心機を利用している。
Nano Sight の説明:https://youtu.be/TuFVmSb7NvM

当院で製作したエクソソーム と培養上清をNanoSightで計測し、細胞径(横軸)と粒子数(縦軸)を表示したグラフ。左:エクソソーム 、
右:培養上清
100nm付近のピーク(急峻な山)はエクソソーム で、
両方ともにエクソソーム が検出されるが、培養上清には300nmや800nmにも山がありこれらはMV(Micro Vesicle)というExosomeとは機能の異なる粒子である。
ちなみに幹細胞は100μm程度で、エクソソーム の1000倍の
半径を持つ。
つまり、培養上清はExosome以外のMVも多いことがわかり、純粋なExosomeとは異なる組成である。
Mesenchymal Stem Cells and Exosome Therapy:https://youtu.be/YnCQZ6DWLN4

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培養映像
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元厚生労働大臣細川律夫先生
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