【当てはまる人は要注意!】椎間板ヘルニアでやってはいけないことについて解説

・首や腰が痛い

・手や足が痺れる

このような症状があり病院を受診したところ、椎間板ヘルニアと診断された方もいるのではないでしょうか?

ヘルニアと診断はされたものの、手術などを行うわけでも無く経過観察になってしまった方もいるでしょう。このような場合は、どんなことに注意して生活をしたら良いか、わからない方も多いと思います。

今回の記事では、椎間板ヘルニアでやってはいけないことについて解説していきます。

 

椎間板ヘルニアでやってはいけないこと

椎間板ヘルニアでやってはいけないことは、頚椎椎間板ヘルニアと腰椎椎間板ヘルニアで多少異なってきます。

 

【頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないこと】

・コンタクトスポーツをする

・猫背や姿勢の悪い座り方になる

・首に負担がかかる動作をしてしまう

・バイクや自転車などで転倒する

 

【腰椎椎間板ヘルニアでやってはいけないこと】

・長期間の安静

・前傾姿勢で物を持つ

・喫煙をする

 

それぞれ解説していきます。

 

 

頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないこと

 

コンタクトスポーツをする

スポーツにも様々な種類がありますが、体がぶつかる競技をすることは避けた方が良いです。頚椎椎間板ヘルニアが診断されている状態で、コンタクトスポーツを行うと、首に対して衝撃が加わり、神経を更に傷つけてしまう可能性があります。衝撃により、頚椎椎間板ヘルニアが更に悪化し、手や足の痺れが増加する可能性があります。

 

猫背や姿勢の悪い座り方になる

猫背の状態や姿勢が悪い座り方でいると、首は自然と曲がった状態になりやすくなります。

頚椎椎間板ヘルニアは、首が曲がった状態になってしまうと、変形した椎間板が更に変形してしまうストレスがかかります。そのため、首がまっすぐの状態になるように姿勢に気を付ける必要があります。姿勢に気を付ける時のポイントは、全身の姿勢を意識するということです。首だけを伸ばそうとしても、なかなか難しいものです。猫背になってしまったり、腰が曲がってしまったりすると、その影響が首にまで波及します。首を良い状態に保つためには、全身の姿勢の管理が必要になってきます。

 

首に負担がかかる動作をしてしまう

頚椎椎間板ヘルニアは、椎間板の形が変形しています。首が曲がると、椎間板を更に潰すようなストレスがかかり、ヘルニアを悪化させてしまう可能性があります。そのため、首を過度に曲げるような動作を避けたり、首に圧がかかるような動作を避けたりする必要があります。

 

バイクや自転車などで転倒する

転倒は、首に強い衝撃を与えてしまいます。若い人であれば、歩いていて転倒する可能性は低いと思いますが、バイクや自転車での転倒にも気をつける必要があります。特に最近は、ロードバイクやクロスバイクなど、タイヤが細い自転車に乗っている人も増えています。通常の自転車と比べると、スピードが出やすく、転倒しやすい傾向があります。バイクや自転車での転倒は衝撃が強いため、首に与える影響が大きいです。通勤や通学で、自転車やバイクを利用される方は注意が必要です。

 

 

腰椎椎間板ヘルニアでやってはいけないこと

 

長期間の安静

腰のヘルニアの方にありがちなこととして、腰痛が出てしまうので安静にしてしまう傾向があります。腰痛の治療として、安静は推奨されていません。安静にすることにより、全身的に筋力が落ちてしまい、更に腰に負担がかかりやすい体になってしまいます。

痛みの範囲内で、通常の生活をできる限り行なっていくことが必要です。痛みが出始めてすぐは安静にしていてもいいですが、せいぜい3日程度です。安静期間が1週間となると、長すぎます。痛みが落ち着いてきたら、少しずつ動き始めるようにしましょう。もし、数日経過しても痛みが強くて動けない場合は、腰椎椎間板ヘルニア以外の可能性も考えられます。その場合は、医師に相談してみてください。

 

前傾姿勢で物を持つ

椎間板にかかる圧力は、背骨の曲がり具合で決まってきます。もっとも悪い状態は、腰が曲がった状態で物を持ち上げる時です。腰は、少し反った状態が正常とされています。研究では、少し腰が曲がった状態では、椎間板にかかる圧力が増加してしまうとされています。椎間板ヘルニアの重症例の方を調査した研究では、腰の反り返りが減少しており、骨盤が後ろに倒れている傾向が強かったとされています。

物を持ち上げる時のポイントとして、足をしっかりと曲げて、腰を少しそらせるようにして持ち上げると、椎間板に対するストレスが少ないことが研究で明らかにされています。

 

喫煙をする

喫煙も、椎間板に対して悪い影響を与えてしまいます。ラットを使った実験ではありますが、喫煙が炎症物質を増加させ、椎間板が悪い状態になっていったことが明らかにされています。ヘルニアの再発率も、喫煙者で多いことがわかっています。なかなか禁煙は難しいかもしれませんが、ヘルニアの悪化を防ぐために、禁煙を心がけてみましょう。

 

 

まとめ

今回の記事では、椎間板ヘルニアでやってはいけないことについて解説してきました。椎間板に対してストレスをかけないことがポイントになります。頚椎椎間板ヘルニアと、腰椎椎間板ヘルニアでは気を付けることが若干異なりますので、それぞれ自分に合った項目を確認してみてください。

日頃の姿勢や喫煙、スポーツなどの生活習慣もヘルニアに影響します。ヘルニアを予防をするためにも、日頃から姿勢や禁煙を心がけていきましょう。

 

参考文献

・Oda, Hiroshi, et al. “Degeneration of intervertebral discs due to smoking: experimental  assessment in a rat-smoking model.” Journal of Orthopaedic Science 9.2 (2004): 135-141. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0949265815329018

・遠藤健司, et al. “体幹前傾を伴った腰椎椎間板ヘルニアの臨床像と腰椎骨盤矢状面アライ メント.” 日本腰痛学会雑誌 14.1 (2008): 129-133. https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/14/1/14_1_129/_pdf

・林翔太, 勝平純司, and 丸山仁司. “1B2-1 持ち上げ動作によって生じる椎間板圧縮力の比 較-骨盤前傾を指示することで腰部負担は変化するのか.” 人間工学 50.Supplement (2014):  S138-S139. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jje/50/Supplement/50_S138/_pdf

 

監修:医師 津田康史