【結論、遺伝?】脳梗塞になりやすい人の特徴とは?

発症すると、その後遺症により体の半分が麻痺したり、会話に困難が生じるなど日常生活に大きな影響を及ぼす脳梗塞。

症状が重い場合、自立した生活ができず常に介護が必要になることもあります。厚生労働省の統計によると、寝たきりになる要因の第一位は脳梗塞を含めた脳卒中です。自立した自分らしい生活を送れるよう、予防することが重要です。

脳梗塞が発症しやすい、する可能性が高い方にはどのような特徴があるのでしょうか。

脳梗塞になりやすい人にはさまざまな原因があります。ここではその原因と対策について説明します。

 

参考)

脳卒中|病気について|循環器病について知る|患者の皆様へ|国立循環器病研究センター 病院 (ncvc.go.jp)

 

 

脳梗塞になる原因

 

脳梗塞になる原因には、加齢によるものや、生活習慣・生活習慣病によるものがあります。

 

加齢によるもの

 

①高血圧

高血圧とは、血圧が常に140/90㎜Hg以上であることをいいます。脳梗塞の原因として最も危険性の高い病気です。血管も年をとるため、年齢とともに血圧は高くなります。高血圧になると、血管が傷つき動脈硬化が進みます。動脈硬化ではと血管の内側が狭くなっていきます。また、心臓や頸の血管に血栓(血の塊)があると、高血圧(血の圧)により脳の血管に血栓がとんでしまい、脳梗塞を起こすことがあります。

 

②心房細動

心房細動とは、心臓の不整脈のひとつです。原因ははっきりしませんが、加齢によるものともいわれています。自覚症状として、手首の脈を触ったときにリズムが一定でない、動悸や息切れ、めまいなどがあります。自覚症状がなく心電図検査で初めてわかることもあります。心房細動では、心臓内の血液が一部分で停滞してよどみ、血栓を形成することがあります。この血栓が血流にのって脳の血管に達すると脳梗塞を起こすことがあります。

 

 

生活習慣病・生活習慣によるもの

 

①糖尿病

糖尿病とは、HgA1C(ヘモグロビンエーワンシー)が6.5%以上、空腹時血糖が136㎎/dl以上、随時血糖が200㎎/dl以上、尿糖が(+)以上などの条件がいくつが該当することをいいます。糖尿病になると、血液のなかに糖があふれて、「血がドロドロな状態」になります。その結果、血流が悪くなり血管がつまりやすくなったり、血管の壁が厚くなり動脈硬化が進んで、脳梗塞を起こすことがあります。

 

②脂質異常症

脂質異常症とは、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が140㎎/dL以上、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が40㎎/dL未満、中性脂肪が150㎎/dLであることをいいます。LDLコレステロールや中性脂肪が多すぎると、血液のなかに溜まり、動脈硬化が進みます。HDLコレステロールにはLDLコレステロールをひきはがす役割があるため、HDLコレステロールが少ない場合も動脈硬化をまねいてしまうことになります。

 

④喫煙

喫煙すると、ニコチンにより血管が収縮し、血圧が上昇します。また、動脈硬化にもつながります。1日に20本以上タバコを吸う人はタバコを吸わない人に比べて、男性で2倍、女性で4倍以上も脳梗塞を発症しやすくなると言われています。

 

⑤飲酒

飲酒も喫煙と同様、血管が収縮し、血圧が上昇します。また、アルコールはカロリーが高い傾向があるため、過度な飲酒は脂質異常症につながり血栓を形成します。

 

加齢による原因で述べた高血圧は、塩分の摂りすぎで起こる「生活習慣病」が原因のこともあります。そのほか、生活習慣病や生活習慣は、重なるほど脳梗塞を発症しやすくなります。

 

 

脳梗塞にならないための対策

脳梗塞は、年齢とともに血管や心臓も衰えることにより起きやすくなりますが、多くは生活習慣や、生活習慣病によって引き起こされます。そのため、生活習慣を整えることが予防対策になります。

 

①減塩食

高血圧は、加齢のほか、塩分の摂りすぎで発症しやすくなります。そのため、減塩食を心がける必要があります。国が推奨する食塩摂取量は1日8g以下です。食品の栄養成分表示を確認したり、調味料の量を工夫しましょう。

 

②規則的でバランスのとれた食事

糖尿病や脂質異常症は、不規則な食事時間や、偏った食生活の積み重ねによって発症します。毎日3食同じ時間帯に摂る、糖質・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルのバランスを考えて摂ることが大切です。特に糖質や脂質の摂りすぎに注意しましょう。

 

③禁煙、節酒

禁煙においては、5~10年間の禁煙を行うことで、脳梗塞を含めた脳卒中の発症率が低くなることがわかっています。禁煙外来などのサポートを受けながら禁煙を目指しましょう。

  飲酒においては、過度な飲酒は高カロリー摂取となり脂質異常症につながるため、節酒を心がけましょう。具体的には、1日25g/日(日本酒なら約1合)のアルコール摂取までに抑えることが推奨されています。

 

参考)

②③脳卒中|病気について|循環器病について知る|患者の皆様へ|国立循環器病研究センター 病院 (ncvc.go.jp)

脳梗塞の発症リスクが高い人の特徴 (noukousoku-prevent.com)

アルコールと脂質異常症 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

 

 

まとめ

今回は、脳梗塞になりやすい原因と対策についてお話ししました。脳梗塞は加齢以上に、生活習慣や、生活習慣病によって引き起こされます。そして発症すると、後遺症によりその後の日常生活に大きな影響を及ぼすことになります。予防が何よりも大切です。

自分の健康診断の結果や生活習慣を振り返り、今から対策をとっていきましょう。

 

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監修:医師 津田康史