【膝に水がたまったらどうする?】原因や治療方法について

「膝に痛みがあるにも関わらず、放置してしまったことで症状が悪化し、痛みがひどくなる」

このようなケースは往々にしてあります。

その原因は、膝に水がたまっていることが関係している場合があるのです。

 

そこで今回は、膝に水がたまる原因や治療方法について解説します。

過去、膝に水がたまっていると診断を受けたことのある方や、現在膝の痛みに悩んでいる方などはぜひ参考にしてみてください。

 

「膝に水がたまる」とは?

膝に水がたまる状態とは、膝の中にある関節液の量が増える状態のことです。

関節液は正常の方であれば1〜3ml程度ですが、炎症を起こした方の場合、30ml以上になる方もいます。

 

関節液は、軟骨に栄養を届け、関節の動きを滑らかにする役割があります。

この関節液の量を調節するのが、関節液を覆う滑膜です。

 

滑膜は通常、古くなった関節液を回収し、新しい関節液を分泌します。

滑膜に炎症が起こると、関節液の回収と分泌のバランスが崩れ、膝に水がたまってしまうのです。

 

膝に水がたまった状態を放置すると、膝の痛みや炎症が悪化します。

最悪の場合、外科手術が必要になるケースもあるでしょう。

症状を悪化させないためにも、早期治療が必要になるのです。

 

 

膝に水がたまる原因は?

膝に水がたまる主な原因についてまとめました。

原因について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

 

【膝に水がたまる原因①】変形性膝関節症

変形性膝関節症とは、膝内部の炎症が原因で起こる関節疾患のことです。

主な症状としては、以下が挙げられます。

 

  • かがんだり立ち上がったりする際に膝が痛む
  • 階段の上り下りの際に膝が痛む
  • 膝を動かした際に音(ガリガリ、ミシミシ)がする

 

症状が末期になると、立っているだけで痛みを感じるようになり、日常生活が困難になります。

 

変形性膝関節症の主な原因は、加齢です。

また、肥満や筋力の低下、過去のスポーツ歴なども関係があるとされています。

特に膝を酷使する方に発症しやすい病気と言えるでしょう。

 

変形性膝関節症になると、軟骨組織がすり減ります。

軟骨組織がすり減ると、減った分のかけらが滑膜を刺激し、膝に水がたまりやすくなるのです。

 

【膝に水がたまる原因②】半月板損傷

半月板損傷とは、膝の内側と外側にある半月板が損傷し、断裂する状態のことです。

 

半月板は、関節に負荷がかかる際のクッションの役割を担います。

半月板損傷が起こると、クッションの役割がきかなくなり、運動時などに強い痛みが生じやすくなるのです。

 

半月板損傷の主な症状としては、以下が挙げられます。

 

  • 歩行時に膝が痛む
  • 膝が腫れ、熱感を帯びる
  • 膝を曲げたり伸ばしたりする時に痛みを感じる

 

半月板損傷の主な原因は、外傷です。

交通事故やスポーツなどで膝をひねったり、膝に強い衝撃が加わることで起こり得ます。

 

また、加齢により半月板が劣化し、損傷しやすくなることも原因として挙げられるでしょう。高齢者の場合、日常生活の動作で半月板損傷になることもあるのです。

 

半月板損傷になると、滑膜が炎症を起こし、水がたまりやすくなります。

 

【膝に水がたまる原因③】感染症やリウマチ、痛風にかかる

感染症やリウマチ、痛風などの疾患にかかることで、膝に水がたまりやすくなります。

 

主な症状は疾患によって異なりますが「足指の付け根や足の甲、足関節などの痛み」が挙げられるでしょう。

 

これらの原因としては、食生活の乱れや運動不足、遺伝的要因などが挙げられます。

疾患にかかることで、滑膜に炎症が起こり、水がたまりやすくなるのです。

 

 

膝に水がたまった際にやるべきこと

膝に水がたまった際にやるべきことを解説します。

治療方針を立てる際にご活用ください。

 

【膝に水がたまった際にやるべきこと①】膝にたまった水を抜く

膝にたまった水を抜き、水の色や状態を確認することで、膝における炎症の原因が特定しやすくなります。

 

膝の水の色と、予測される原因は以下の通りです。

 

  • 水の色が黄色で透明→変形性膝関節症
  • 濁った白色    →感染症やリウマチ、痛風
  • 赤色や褐色    →半月板損傷などの外傷

 

原因を特定したら、症状ごとに適切な治療方法に沿って治療していく必要があります。

 

【膝に水がたまった際にやるべきこと②】MRI検査

MRI検査を行うことで、膝組織の状態を把握でき、膝に水がたまる原因が特定しやすくなります。

検査時間は30分〜1時間程度であり、即日診断が可能です。

早期に確実な診断が必要な方にとっては適した検査方法と言えるでしょう。

 

【膝に水がたまった際にやるべきこと③】原因ごとの治療を行う

膝の水を抜いたり、MRI検査をしたりして膝に水がたまる原因を特定したら、原因ごとに治療を行います。

 

現在は運動療法や薬物療法、外科手術や再生医療(膝の軟骨を自力で再生させる)など、さまざまな治療方法があります。

 

膝の水がたまった状態を放置すると、炎症と痛みが悪化する可能性が高くなります。

そのため、いち早く原因を特定し、症状ごとに適した治療方法を選択する必要があります。

 

まとめ 

今回は、膝に水がたまる原因や治療方法について解説しました。

膝に水がたまる原因には、変形性膝関節症や半月板損傷、リウマチや痛風などがあります。

原因を特定するためにも、水を抜いたり、MRI検査を行うなどして原因を探りましょう。

 

膝に水がたまった状態を放置すると、痛みや炎症が悪化します。

いち早く原因を突き止め、症状に沿った最適な治療方法を選択してください。

 

日常生活において膝に異変を感じ、痛みが続くようであれば、お近くの医療機関で受診することをおすすめします。

 

 

変形性膝関節症にお悩みの方は専門医に相談

変形性膝関節症を発症する原因としては「遺伝性による原因」「長期間の激しい運動」「関節・軟骨の老化」などが挙げられます。

 

万が一、変形性膝関節症やその疑いによって膝に痛みが生じた場合には、以下の「してはいけないこと」に注意しましょう。

 

<変形性膝関節症の疑いがある場合にしてはいけないこと(動作)>

  • 直接フローリングや畳に座る
  • 敷き布団を使用
  • 掘りごたつや和式トイレなどの各種、深い屈伸運動を伴う動作
  • 激しい運動
  • アルコール類の飲酒や喫煙

など

 

変形性膝関節症の効果的な治療法には「保存療法(症状を遅らせる治療法)」と「手術療法(膝などを直接的に手術する治療法)」が挙げられます。

症状が重症化すると人工関節置換手術などの、体に大きな負担がかかる手術療法を選択しなければいけない可能性も発生します。

 

一方で自己幹細胞を活用して、体への負担を和らげながら治療できる「再生医療」の技術も進歩しているため、変形性膝関節症に悩んでいる方にはおすすめです。

表参道ヘレネクリニックでは体に負担のかからない再生医療を得意としており、国際的な基準を上回った証明でもある「GCR:Global Clinic Rating認定」も取得しております。

現在、膝の痛みで悩まれている方は、ぜひ一度お気軽にお問合せくださいませ。

・お問合せフォーム(メール対応):https://okusurinabi.com/contact/

【再生医療外来】 03-3400-2277

 

膝の痛みは日常生活にも暗い影を落とすものです。小さな違和感でも、初期段階での治療が大切なので、気になる方は今回の記事を参考にしていただき、お気軽にお問合せくださいませ。

 

監修:医師 津田康史