【若年性アルツハイマーの原因、症状は?】分かりやすく解説

アルツハイマーって高齢者の病気でしょ?

若い人がなぜアルツハイマーになるの?

どういう症状が出るの?

 

アルツハイマーと聞くと、高齢の方がかかる病気だというイメージの方が多いと思います。

様々なことが原因となりますが、若い人にもアルツハイマーになる可能性があります。

今回は、若年性アルツハイマーの原因や症状について解説します。

 

若年性アルツハイマーの原因

最初に若年性アルツハイマーの原因について解説します。

 

遺伝

若年性アルツハイマーの原因として、遺伝の可能性が考えられており、数々の研究が行われています。研究の中では、染色体に関連した結果が出ている物が多いです。

 

糖尿病や高血圧などの生活習慣病

認知症の発症には、高血圧や糖尿病も関連していると言われています。そのため、若い時から血圧が高かったり、糖尿病のコントロールが悪かったりする状態が続けば、将来若年性アルツハイマーになってしまうリスクが高まると考えられます。血圧は高すぎるだけではなく、低すぎることも、認知症全般の発症リスクと考えられています。

糖が分解された後のブドウ糖は、血管にダメージを与えやすいとされています。高血糖の状態が続くと、血管が傷つき動脈硬化が進んでしまいます。動脈硬化が進んだ状態では、脳への血流も低下しやすくなるため、若年性アルツハイマーになる可能性が高くなってしまいます。

 

事故などによる怪我

事故などにより頭部への大きな衝撃があると、脳の神経細胞にダメージを受け、若年性アルツハイマーの発症の可能性が出てきます。事故以外にも、自転車やバイクでの転倒や、スポーツでの頭部への衝撃なども注意する必要があります。

 

飲酒や薬物

過度な飲酒や薬物の乱用歴があることも、若年性アルツハイマーのリスクになります。

 

 

若年性アルツハイマーの症状

次に、若年性アルツハイマーの症状について解説していきます。

 

記憶障害

若年性アルツハイマーの症状として、顕著に出てくるのは記憶障害です。発症の初期では、最近の記憶が思い出せなくなってしまい、進行してくると、ついさっきのことも忘れてしまうようになります。昔の記憶は比較的保たれる傾向にあります。

 

時間や場所などがわからなくなる

次に特徴的なのは、時間や場所などの認識が障害されてくることです。

お昼なのに明け方だと思ったり、冬なのに夏だと思ってしまったりします。また、場所も分かりにくくなってくるため、外出したまま帰ってこられなくなるという例もあります。

人の顔の認識能力も低下してくるため、知人の顔もわからなくなる可能性もあります。

 

気分の変化

症状が出てから初期の状態では、自分の変化に気づくことができるので自信を無くしてしまったり、うつ傾向になってしまったりします。しかし、症状が進行すると、多幸的になることが多いとされています。

 

言葉が出なくなる

いわゆる、「失語」と呼ばれる症状が出る場合があります。

出てくる症状は比較的軽症の失語であることが多く、物の名前を思い出せず、回りくどい言い方になってしまう失語が見られます。このような失語を健忘失語と呼びます。

健忘失語は、例えば「大根」の名前が出づらく、「白い野菜で、太くて、葉っぱが小さくて…」のような表現になることが考えられます。

若年性アルツハイマーの末期は、全失語と呼ばれる状態になります。

全失語は、言葉に関わるすべての機能が失われた状態です。文字を読むことも書くこともできず、話すことも言葉を理解することも困難になり、コミュニケーションがほとんど取れなくなります。

 

スマホが原因で若年性アルツハイマーに?

若者のスマホ依存も、若年性アルツハイマーの原因になる可能性が指摘されています。

スマホを見ることにより、ドーパミンという快楽を感じるホルモンが出ます。ギャンブルやお酒でも同じような効果が得られるため、ギャンブル依存・アルコール依存になるのと同様に、スマホ依存になってしまう可能性があります。

若い人の脳はまだ発達途中のため、脳内のホルモンバランスの変化が起きてしまい、認知症に似た症状が出るとされています。このような状態を「デジタル認知症」と呼び、デジタル認知症の14%が、若年性の認知症に移行していくと言われています。

脳が発達しきらないうちのスマホの利用は、しっかりと制限を行い、依存に陥らない対策をする必要があります。

 

まとめ

今回の記事では、若年性アルツハイマーについて解説してきました。

様々なことが原因になりますが、生活習慣やスポーツでの頭の怪我に注意をする必要があることがお分かりいただけたと思います。

発症初期の時には、自分の記憶力の変化や物事を認識する能力の低下が自分でもわかるので、気分の落ち込みが見られることがあります。その時には家族のサポートが必要になります。症状や原因をしっかりと理解した上で、適切に患者さんのサポートをしていきましょう。

 

参考文献

・木村通宏. “若年性アルツハイマー病専門外来の試み.” 順天堂医学 47.1 (2001): 15-22.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjmj/47/1/47_15/_pdf

丹羽文俊. “認知症と生活習慣危険因子.” 京都府立医科大学附属北部医療センター誌 5.1 (2019): 2-9.

https://kpu-m.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=2276&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

安達和年, and 藤田智子. “大学におけるデジタル認知症の現状について.” 国士舘大学紀要情報科学 39 (2018): 14-21.

https://kokushikan.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=13499&item_no=1&attribute_id=189&file_no=1

 

監修:医師 津田康史