【膝の裏が痛い..もしかして病気?】膝の裏が痛む原因について

「最近、膝の調子が良くない」

「膝の裏に違和感がある」

「歩きにくさを感じる」

そのようなお悩みはないでしょうか?

 

膝関節は、太ももと大腿骨と足のすねにある脛骨、脛骨を支えている腓骨、一般的に「おさら」と呼ばれる膝蓋骨が組み合わさり、その周囲を関節包でおおわれて構成されています。

 

膝は、体重を支えるだけでなく、座る、走るなどの激しく、複雑な動きをしている関節です。

また膝関節は、骨の接合が浅いために、半月板や靭帯、周囲の筋肉によって安定した動きができるようになっています。

 

普段はあまり膝の動きを意識して過ごしていないことが多いと思いますが、膝が障害されると、日常生活へのさまざまな影響が考えられます。

 

このように、わたしたちが日常生活を送っていくなかで、とても重要な役割を担っているのが膝なのです。

 

本記事では、膝の裏が痛い原因について、具体的な疾患を取り上げ説明していきます。

膝の痛みの原因がわかり、少しでも安心していただけると幸いです。

 

 

膝の裏の痛みの原因となる疾患について

 

変形性膝関節症

膝の痛みで代表的なものの一つとして「変形性膝関節症」があります。

膝関節にかかる衝撃を和らげるクッションとして働く関節軟骨が摩耗し、膝関節内の滑膜が炎症をおこす病気です。

原因の多くは加齢に伴う関節組織の劣化ですが、それ以外に肥満や過去の外傷、細菌の侵入など、発症のきっかけ・要因はさまざまです。

変形性膝関節症は、急激な症状の悪化というよりは、長い年月をかけて少しずつ症状が悪化していく疾患です。

「何となく違和感があるな」

「これまでより動きにくくなった気がする」

そのような気づきをそのままにせず、対処することが悪化を防ぐポイントになります。

 

膝関節捻挫

膝関節捻挫とは、膝の関節に大きな力が加わることで、通常の範囲を超えて骨同士が動いた場合に起こるケガのうち、X線で異常がない関節のケガのことを言います。

主な症状は、関節の腫れや痛みなどです。

 

痛みを感じにくい部分が損傷されていることもあるため、症状があまりなくても、早めの受診が大切となります。

膝関節捻挫は、スポーツをしている方はもちろん、膝関節への負担により起こりうる疾患です。

日頃からケガに気をつけながら、接触時の対処方法を身につけておくことも、予防の観点から大切なポイントの一つと言えます。

 

靭帯損傷

靭帯損傷は、交通事故やスポーツによって大きな力が加わり、膝の靭帯に損傷が生じることを言います。

膝の靭帯はそれぞれ、内側側副靭帯、外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯に分けられます。

それぞれの靭帯に無理な力が加わることで損傷する原因となります。

 

初期症状としては、膝の痛みが出たり、膝をうまく動かせなかったりする症状や腫れが出現することもあります。

交通事故やスポーツなどで、強い外的な刺激を受けた際には、膝の痛みについて確認することが大切です。

あとから症状が出てくることもありますので、初期症状に注意して、迅速な対応が大切です。

 

関節リウマチ

関節リウマチは、変形性膝関節症のように老化や肥満が原因で起こる病気ではなく、免疫システムの異常が関係している疾患です。

免疫とは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの有害な異物を攻撃・排除するシステムのことです。

関節リウマチでは、この免疫システムが自分の正常な細胞を外的と誤認して攻撃するため、関節に炎症がおき、誤認が継続するため、炎症が長期間継続することになるのです。

関節リウマチは膝だけでなく、全身の関節で起こる病気です。

 

発症時は、手の指や手首、肘などの比較的小さな関節から発症し、徐々に全身に症状が移行します。

そして、膝などの大きな関節に症状が現れます。

関節リウマチは自覚症状が現れる以前から、少しずつ症状が進行している疾患です。

初期症状にも気づきにくいことが多いですが、朝目覚めたときの手の指やこわばり、動かしにくさなどが症状を見極めるポイントになります。

 

 

まとめ:膝の裏が痛いときは

今回は膝の裏が痛いときに原因となる疾患について説明しました。

膝はわたしたちが、日常生活を送っていくために必要不可欠な身体部位です。

「立つ」「歩く」「しゃがむ」「座る」「走る」

わたしたちが何気なく行っている日常動作のなかに、膝は必ず使われています。

すなわち、膝にトラブルが起こることで、わたしたちの日常生活が脅かされることにもつながるのです。

膝はわたしたちが日常生活を送るために必要不可欠な役割を担っています。

痛みや違和感があるときには、そのままにせずに、気づいたときにすぐ対処することが重要です。

どの疾患においても、初期症状での対処により、治療効果が上がることも分かっています。

 

 

些細なことでも、気になることがあれば、迷わず医療機関へご相談ください。

 

あなたのより豊かで健康な暮らしのために、本記事が参考になれば幸いです。

 

【参考文献】

三井宏(2011)『ひざ・腰・肩の痛みの最新治療』主婦の友社

柳本繁(2012)『腰・ひざの痛みを解消する』法研

木村雅弘(2022)「膝靭帯損傷」

https://doctorsfile.jp/medication/256/ (閲覧日:2022年10月28日)

 

 

監修:医師 津田康史