これから介護をすることになるけど、介護って具体的に何をしてあげたらいいの?
介護保険制度ってどうやって使い始めたらいいの?
介護問題は、突然発生するケースが多いです多いです。先月まで元気だった家族が、病気や怪我によって急に介護が必要になってしまいます。
「まさか自分の家族が病気や怪我で介護が必要な状態になるなんて思ってもみなかった」という人が多く、介護が必要な状態になってから「どうしよう」と悩み始める方も多いのではないでしょうか。
今回は介護について解説し、介護保険制度を使用するためにはどうすれば良いのかについてわかりやすく解説していきます。
目次
介護について
介護と一言でいっても、行う内容は多岐にわたります。
人により介護が必要な項目は様々ですが、大きく分けると食事・排泄・更衣・清容・入浴・外出などの項目に分けられます。
食事
食事に介護が必要な状態になるということは、食事を自分で作れない、自分で食事を食べられないなどの状態が考えられます。
通常の食事が食べられれば良いですが、年齢を重ねると飲み込む力も低下するため、おかゆにしたり、おかずをミキサーにかけたりして、トロトロの食事にしなければならないケースも考えられます。歯が悪い状態では、食べこぼしなども問題もあるため、食事の介護と言ってもさまざまな配慮が必要になります。
排泄
自力でトイレにいけない場合は、オムツを使用することがあります。おむつを使用する場合、自分では立ち上がれなかったり、動けなかったりする状態が考えられますので、おむつ交換を行うことになります。おむつもさまざまな種類があるため、どれくらいご家族が動けるのか、どのくらいの頻度でおむつ交換ができるのかなどを考慮して、選択すると良いです。
また、ベッドから降りることだけできる場合は、ポータブルトイレの使用も選択肢に入ります。また、もう少し動ける状態であれば、トイレまでの移動を手伝ってあげたり、ズボンの上げ下ろしなどを手伝ってあげたりするだけで大丈夫なケースもあります。
更衣
着替えに手伝いが必要なケースもあります。着替えが自力でできない状態であれば、一人では起き上がれない状態になっていることも考えられます。
着替えを手伝うだけではなく、着替えのタイミングで体を拭いてあげたり、立ち上がりを支えたり、ベッドから起こしてあげたり、着替えるまでに色々な動作の介助が必要になる場合もあります。
清容
髪を整えたり、歯磨きをしたり、髭を剃ったりする動作のことを言います。ベッドから離れない生活をしていると、どうしても歯磨きやお化粧、髭剃りなどを行わなくなっていきます。しかし、清容動作を行わないと歯周病や虫歯の問題が出てきたり、髪が整わないことが原因で外出することを嫌がってしまったり、さまざまな問題が生じてきます。すると、ベッドで過ごしがちになり、生活のリズムが乱れていくことにも繋がります。
ベッドから動けないとしても、なるべく普段の生活と同じようなタイミングで清容を行い、メリハリのある生活を送れるようにしていくことが大切です。
入浴
入浴は、介護の項目の中でも重労働の項目です。
高齢になると、入浴することも面倒になってしまったり、浴槽に入ることができず、シャワーで入浴が終わりになってしまったりします。
また、浴室は寒暖差が激しく、心臓発作のリスクがあります。また、泡で洗い場が滑りやすく、転倒することを怖がるなどの理由により、なかなか入浴を積極的に行いにくくなります。
思うように入浴ができない場合は、暖かい日中に入浴を済ませてしまったり、浴室をシャワーなどで温めたりして入ると良いです。自分たちだけで入浴の問題を解決するだけでなく、訪問入浴や入浴を行なってくれるデイサービスの利用も視野に入れておきましょう。
外出
歩くことが困難になると、押し車を使ったり、車椅子を使ったりします。車椅子の開閉、車への積み込み作業は、意外と重労働です。また、バリアフリーが進んでいるとはいえ、外に出れば路面の凹凸があったり、坂があったりして、車椅子は押しにくいものです。
通院に付き添ったり、買い物に付き添ったりすることも重要な介護となります。人によっては、通院や買い物だけが外出機会という人もいますので、本人にとって外出の機会は貴重なものになっていきます。時間に余裕を持って行動することで、外出先で転んでしまうなどのトラブルを避けることができます。
介護保険制度を使うためには
介護保険制度を使うことにより、さまざまなサービスを受けることができます。
介護保険を申請する場所は、介護が必要になる方が居住している市区町村の役場です。担当している課は、それぞれの市区町村により異なります。
介護保険の申請後しばらくすると、介護保険の認定調査員が介護保険を使う予定の方のところへ、「認定調査」をしにきます。この調査で、認定調査員は対象者の方がどういう状態なのか、色々な質問を通して状態を把握していきます。
認定調査が終わると、介護認定審査会にて介護度が決定されます。認定調査と合わせて、主治医からの意見書も参考資料として提出されます。
介護度は軽い段階から、要支援1・2、要介護1〜5の7段階に分けられており、介護度が重いほど、使えるサービスの量が多くなります。(要介護5が一番重い介護度です)
介護度が決定すると、担当のケアマネージャーを決めていきます。ケアマネージャーと、どのサービスを使うのか打ち合わせや契約を行い、サービスの利用が開始になります。
使えるサービスはさまざまなものがあり、ヘルパーさんがきてくれたり、デイサービスを利用できたり、訪問看護が利用できたり、介護領域におけるさまざまな専門職に力を借りることができます。
人により必要なサービスは異なるため、現在の生活でどのようなことが困っているのか、何を解決したいのかなど、率直にケアマネージャーに相談をしてみると良いでしょう。
まとめ
今回の記事では、介護について・介護保険制度も含めてわかりやすく解説してきました。
急に浮上してくる介護の問題だからこそ、事前に介護とはどういうことを行うのか、使える制度はどのようなものがあるのかなど調べておく必要があります。介護が必要になってから調べようとしても、時間と心に余裕がなくなってしまうため、冷静な判断ができなくなってしまうことも考えられます。
時間がある今のうちに、少しずつ介護保険制度などのことについて調べ、理解をするようにしておきましょう。
参考文献
・厚生労働省:介護保険とは
https://www.mhlw.go.jp/content/000801559.pdf