脳卒中発症後は、さまざまな後遺症、身体機能障害に悩まされます。
失禁や便秘などの自律神経障害、筋萎縮などの運動障害、認知症や意識障害などの認知障害、など、脳の損傷部位により症状は多岐にわたります。
多くの障害が発生するリスクのある脳卒中において、発症後、如何にして障害を軽減するかという考えが必要になってきます。(当然脳卒中の発生を予防するという観点も大切です。)
そこで大切なのは、発症後にどのようなリハビリを、いつから始めるかです。
いつ始めるかによって、その後の後遺症の回復の期待値が大きく左右されます。
すなわち、適切な時期に適切なリハビリをおこなうことが、後遺症回復の近道となるのです。
本記事では、脳卒中発症直後の急性期から回復期までに必要なリハビリをご紹介します。
脳卒中後のリハビリについて参考にしていただけると幸いです。
目次
脳卒中のリハビリで大切なこと
発症したその日から始める
脳卒中のリハビリで大切なことは一日でも早く、遅くとも3日以内にはリハビリを始めることです。
初期のリハビリはとくに道具などを必要としませんし、専門家がいなくてもできることばかりです。
たとえば、手をあげたり、足を伸ばしたり、ベッドから立ったり座ったりするなどの動作をすることが、この時期では一番効果的です。
この動作ができるようになれば、回復への道が大きく広がります。
自分で動く運動をする
リハビリでは、他人に動かしてもらうのではなく、自分で身体を動かすことがとても大切です。
もちろん他動運動が効果的な場面もありますが、自ら動かす運動はリハビリをするうえで重要なポイントとなります。
健側を弱らせない
脳卒中のリハビリでよく誤解されておりますが、障害がある箇所を動かすだけではなく、障害のない側(健側)を動かすのも大切だということです。
麻痺のある患者さんの場合、健側を弱らせないようにすることが重要になります。
健側が使えると、車いすやトイレに移るなどの動作を行うことができ、麻痺側がたとえ回復しなくても、日常生活動作ができるからです。
麻痺側に気をとられて、健側のリハビリを疎かにしてしまわないようにすることが大切です。
治療の流れを理解する
リハビリテーションの流れとしては、以下に分けられます。
①急性期
②回復期
③生活期
急性期におけるリハビリ
前述した通り、脳卒中のリハビリは少しでも早く始めることが大切です。
発症してすぐは、本人も家族も動揺が激しく、リハビリどころではないかもしれません。
生死をさまよい、ようやく脱したときには安堵感もあるでしょう。
「しばらくは安静にしてたほうがいいのでは」
そんな風に思われる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、再発の心配もあります。
脳卒中は再発の可能性が高い病気ですが、リハビリをしたからといって再発するリスクは変わらないと言われています。
再発はリハビリとは関係なく起こりうることなのです。
回復期におけるリハビリ
急性期の病院で数週間治療とリハビリを受けたあとは、回復期の時期に入ります。
病院もリハビリ専門の病院や回復期病棟と呼ばれる、リハビリを専門的におこなう病院や病棟に移ることになります。
この時期のリハビリは、どれだけ回復できるか、どのような生活が送れるようになるのかが決まる大切な時期です。
この時期に大切なリハビリは3つあります。
- 起立ー着席訓練
- 階段昇降訓練
- 杖歩行訓練
日常生活のベースとなるリハビリが主な内容です。
この時期にどれだけ頑張ってリハビリに取り組むかで、その後の回復が変わってきます。
これらのリハビリに真剣に取り組まれた方は、目に見えるような回復力が見られることも。
専門スタッフと共に目標を設定して、計画的にリハビリに取り組むことが大切です。
生活期におけるリハビリ
この時期になると退院が目前です。
退院後にどのような生活をしたいのか、何に困るのかなど、自宅での生活をイメージしたリハビリをすることが大切です。
この時期に大切なことは2つあります。
- 歩けるようになること
- 健側の手だけで動作の練習をすること
退院すると、さまざまな日常生活動作が必要になります。
この時期のリハビリでは、麻痺側とうまく付き合っていくことが大切です。
麻痺側は発症後1か月ごろまでは順調に回復していき、3か月ごろまでは改善がみられます。
しかし、その後は回復しにくくなり、完全な回復が難しいことも。
そのため、この時期は健側を使った動きを意識することが重要となってきます。
麻痺側で無理な動きをすることでイライラするよりも、健側を使って簡単に動けるほうが前向きな気持ちで、自身の体と上手く付き合いながら生活ができるでしょう。
脳卒中後の症状にお悩みの方は専門医に相談
脳卒中発症後のリハビリは、早急に進めることを推奨しております。
急性期(発症後数か月)にリハビリを始めることができれば、効果は強く期待できます。ただ慢性期にリハビリを始めたとしても機能回復は難しいと言われております。
一方で自己幹細胞を活用して、体への負担を和らげながら治療できる「再生医療」の技術も進歩しているため、急性期、慢性期問わず、脳卒中後の症状に悩んでいる方にはおすすめです。
リハビリと再生医療を組み合わせることが出来れば、治療効果は大幅に期待できます。
表参道ヘレネクリニックでは体に負担のかからない再生医療を得意としており、症例数については国内外で8000件を突破、また国際的な基準を上回った証明でもある「GCR:Global Clinic Rating認定」も取得しております。
「気にはなるけど、 本当に今から予防が必要か判断できない」 「治療するか決まっていないけど、 まずは話を聞いてみたい」 そんな場合も全く問題ありません。気付かないうちに生死をさまようリスクを抱えている場合もございますので、ぜひ一度お気軽にお問合せくださいませ。
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【参考文献】
岡庭豊(2020)『イヤーノート2021内科・外科』メディックメディア
監修:医師 津田康史