「認知症の初期症状ってどんな症状?」
認知症の初期状態と、通常の健康状態の境目はかなり曖昧といわれております。
先んじてお伝えしますが、認知症を発症した場合、早期の段階で治療を開始することのメリットは非常に大きいです。
認知症が進み、症状が深刻化してしまった場合、どうしても期待できる治療効果は減ってしまいます。
そこで今回は認知症の初期症状やとるべき対策について解説します。
本記事は以下の方におすすめです。
- 認知症の初期症状について知りたい
- 認知症対策として有効な方法を知りたい
- 認知症が進むとどんなことが起こるのか知りたい
- ご家族に認知症かもしれない人がいる
認知症の初期症状やとるべき対策について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
※もしご家族の方で認知症かもしれない方がいる場合、早期に行動を移していただきたいです。
早期発見により、ご本人様の治療効果も当然期待できますし、ご家族のかたのご負担も大きく軽減できます。
医師からのアドバイスにより、家族全員でどのようにして認知症に向き合っていくのか、今後の将来を考える余裕を生むこともできるので
本記事を通して、対策について考えていただければ幸いです。
目次
認知症の主な初期症状は?
認知症は、早期受診・早期発見することで症状の進行が抑えられる可能性が上がります。
受診を先延ばしにすると進行が進み、症状の改善が難しくなるため、早期受診は重要です。早期受診するためにも、認知症の主な症状を把握しておきましょう。
認知症の初期症状には以下の内容があります。
認知症の初期症状チェックリスト
- 気分が落ち込みやすい
- 暴言をはく
- 暴力をふるう
- 怒りっぽくなる
- 家事や料理ができなくなる
- 物をなくす
- 約束が守れなくなる
- 何度も同じことを話す
- 何度も同じことを尋ねる
いくつか当てはまる場合は、早期受診をおすすめします。
もしも認知症が疑われたら..?
早期受診とはいえ、なにをすればいいの?
どこの医療機関にいけば?
など、認知症の疑いができてもどのような行動をとればよいか分からない方も一定数いらっしゃると思います。
初期症状やチェックリストを見て認知症が疑われた場合、ものわすれ外来という認知症を専門とする医療機関に受診をお願いするのがお勧めです。
ご自宅の近辺で、認知症について相談を受けている医療機関が存在するかどうか確認してみてください。
一方、かかりつけ医に相談するという方法もございます。
例えば東京都において、近年かかりつけ医に対して認知症研修を行っており、適切な認知症治療のための知識を習得している場合がございます。
そもそも患者様の健康状態を把握しているため、是非頼ってみてはいかがでしょうか。
本人が受診に行きたがらない。。
よくあるケースとして、認知症を疑われている方が病院の受診は必要ないと判断し、病院に行きたがらないケースが存在します。
認知症というお話をするうえで、患者様とのコミュニケーションは切っても切り離されない、非常にセンシティブで重要なお話です。
今まで出来ていたことが出来なくなってしまう、少し前の記憶も忘れてしまう、など、一番不安を感じているのは患者様本人です。
精神状態が正常ではないケースも考えられますので、強制的に病院に連れていくのではなく、落ち着きながら患者様が安心できるような対応をしてみてください。
先述したかかりつけ医に相談してみるのもよいでしょう。
ご家族からの誘いに対して抵抗感を示してくる場合は、ご家族以外の人間から受診をお勧めするのもよいでしょう。
何よりも本人が気持ちよく行動ができるようになるために、配慮をすることが大切です。
認知症は中核症状と周辺症状に分かれる
初期症状などは解説させていただきましたが、認知症が進んだ場合、どのような症状が発生するのでしょうか。
認知症の症状は、中核症状と周辺症状に分かれます。
中核症状とは、認知機能低下から引き起こるものです。
主な症状としては、記憶障害や見当識障害、遂行機能障害や判断力の低下などの症状が見受けられます。
一方で周辺症状とは、中核症状や心理的要因、身体的要因や環境要因が作用して生じる症状です。
それでは、次項でそれぞれ詳しく解説していきます。
中核症状について
中核症状の主な内容について解説していきます。
理解・判断力障害
物事を適切に理解し、判断する力が低下します。
たとえば車の運転や信号・踏切を渡るなどといった「理解して判断する」作業が難しくなるのです。
失語・失認・失行
言語の理解や表現、目から得られる情報の正しい認識ができなくなります。
また正しい動作も難しくなるのです。
実行機能障害
物事の計画を立て、順序立ててこなしていく能力が低下します。
料理や数字の計算、シャツの着替えなどができなくなるのです。
見当識障害
見当識障害の方は、周囲の人々や時間、場所などが正確に認識できません。
たとえば昼と夜の区別がつかなくなったり、自分がどこにいるのかがわからなくなったりします。また、ご家族のことが分からなくなり、ご家族を他人と認識することもあるのです。
記憶障害
自身が持つ過去の記憶が失われます。
新しいことが覚えられなくなったり、直近で誰と話したかわからなくなったりするのです。
また、物の名前が思い出せなくなることもあるでしょう。
周辺症状について
周辺症状の主な内容について解説していきます。
幻覚
現実ではありえないものが見えたり、聞こえてきたりします。
家の家具が人に見えたり、知らない人が話しかけているような感覚に陥ったりするのです。
妄想
私物を盗まれたと勘違いし、被害妄想が強くなります。
現実では簡単に起こり得ない事柄が起きたと確信するようになるのです。
外出時に徘徊し、道に迷う
外出時に、自身が歩き慣れた道で迷うことがあります。
方向感覚が失われるため、自分がどこにいるかがわからなくなるのです。
そのため、徘徊を繰り返し、道に迷ってしまうことがあります。
無気力・不安・抑うつ
日常生活に支障が出ると、無気力になり、抑うつ状態になることがあります。
今まで興味があった物事に興味を示さなくなり、不眠や食欲低下などが引き起こされるのです。
介護への拒否
他人に迷惑をかけて申し訳なく思う気持ちや自身で思うように行動できないストレスなどから介護拒否をすることがあります。
暴言や暴力
不安や焦り、体調不良や感情のコントロールがきかないことで暴言をはいたり、暴力を振るったりすることがあります。
認知症の原因となる病気は?
認知症の原因となる病気は4つあります。
それぞれの種類ごとに解説していきますので、知識として把握しておいてください。
アルツハイマー型認知症
認知症の原因として最も多い病気です。
何らかの原因でアミロイドβと呼ばれるタンパク質が脳に蓄積し、神経細胞が破壊され、脳が萎縮することで発症します。
主な症状としては、実行機能障害や見当識障害、記憶障害などです。
レビー小体型認知症
レビー小体と言われるタンパク質が脳に蓄積し、神経細胞が破壊される病気です。
アルツハイマー型認知症と同様に、実行機能障害や見当識障害、記憶障害などが引き起こされます。
血管性認知症
脳出血や脳梗塞といった脳血管障害によって、神経細胞に酸素や栄養がいかなくなる病気です。手足のしびれや麻痺、感情のコントロールが難しくなります。
前頭側頭型認知症
側頭葉や前頭葉を中心に神経細胞が破壊される病気です。
症状としては、同じことを繰り返したり、言語障害が起きたりします。
認知症の予防方法は?
明確に認知症の予防と呼ばれるような方法は未だに判明はしておりません。
一般的に年を重ねることで脳の機能も低下してしまうため、認知症の原因として、加齢は挙げられます。
ただ、いわゆる生活習慣病にかかっている人が認知症を発症しやすい傾向があります。
生活環境を改善することが認知症を予防する方法にもなるので以下を参考にしてみてください。
他者と会話する
他者と会話してコミュニケーションをとることで、脳が刺激され、脳機能低下が防止しやすくなります。
家族や友人、知人などと会話をしながら食事したり映画を観たりすることでメンタルヘルス予防にもつながるのです。
バランスのとれた食生活を行う
糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病は、認知症の発生リスクを高める可能性があります。
生活習慣病予防のためにも、栄養バランスのとれた食事をとりましょう。
適度に運動する
適度な運動は、全身の血行状態を良くし、脳機能低下を防止します。
簡単な散歩からでも問題ありません。定期的に運動することで脳の活性化にもつながるため、意識的に運動することを心掛けましょう。
まとめ
今回は認知症の初期症状やとるべき対策について解説しました。
正しく理解することで、早期発見につながるでしょう。
認知症の症状に該当するものが見受けられた場合は、早期受診をおすすめします。
ご本人、ご家族の両者にとって、早期発見、改善は金銭的にも精神的にもゆとりを持つことができます。
認知症予防は私たちの日常生活の中で行えます。
適切な食生活や適度な運動を行うことで生活習慣病を予防し、認知症予防に努めてみましょう。