一度発症すると完全に治すことは難しい糖尿病。内服や注射の治療を一生続けていかなければならず、体はもちろん、精神的にも経済的にも負担が大きくなります。
また合併症においては、失明する危険性が出てきたり、腎臓が働かなくなり命に関わることがあります。そのため予防することが重要です。
糖尿病になりやすい人にはさまざまな特徴があります。ここではその原因と対策について説明します。
目次
糖尿病になる原因
糖尿病になる原因には、大きく分けて、先天的要因(生まれ持った体質によるもの)と後天的要因(遺伝や生活習慣によるもの)の2つがあります。
先天的要因
生まれ持って幼少期に発症することが多い、1型糖尿病を指します。現在のところ明らかな原因はわかっていません。
後天的要因
遺伝が原因の一つになったり、生活習慣が原因で発症するものです。2型糖尿病といいます。生活習慣に関してはさまざまなものがあります。
- 遺伝
父親や母親、また直系親族の方が糖尿病をお持ちの場合、インスリンが分泌されにくい遺伝子を引き継ぐことがあります。糖尿病の親族がいる方は、いない方に比べて、男性で2.0倍、女性で2.7倍、糖尿病になりやすいことがわかっています。
- 肥満
肥満によって増えた脂肪細胞は、「悪玉物質」と呼ばれる物質を多く分泌します。この悪玉物質はインスリンの効きを悪くします。BMIとは体の大きさを表す指数で、自分の体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値ですが、この値が25以上であると肥満とされます。さらに、BMIが1増えるごとに、男性・女性ともに、糖尿病になる確率が17%上昇することがわかっています。
- 運動不足
運動不足になると先に述べた肥満につながります。また、筋力や代謝の低下により、インスリンを分泌する機能が働きにくくなり、高血糖の状態が続きます。その結果、糖尿病にかかりやすくなります。
- 喫煙
喫煙をすると、交感神経が刺激され、血糖値が上昇することがわかっています。また、血糖を下げる役割をもつ「善玉物質」と呼ばれる物質の分泌を阻害します。1日20本以上喫煙する方は、吸わない方に比べて、男性で1.4倍、女性で3.0倍、糖尿病になりやすいことがわかっています。①
- アルコールの摂りすぎ
アルコールを過剰摂取すると、脳の視床下部という部分に炎症が起き、膵臓に対してインスリンを分泌させる指令が出にくくなります。また、アルコールは高カロリーなものが多く、肥満にもつながります。④1日1合以上飲酒する方は、飲酒しない方に比べて、男性で1.3倍、糖尿病になりやすいことがわかっています。
- ストレス
ストレスがかかりすぎると、交感神経が刺激され血糖値が上昇します。また、ストレスにより分泌されるコルチゾールというホルモンには食欲を増進させる働きがあり、暴飲暴食につながります。その結果、高血糖の状態が続き、糖尿病にかかりやすくなります。
- 不規則な生活
不規則な生活とは、食事時間や食事内容が偏っていたり、睡眠時間が通常とはずれていることを指します。
人間にはサーガディアンリズムという体内時計がありますが、それが狂うと体の各機能も低下します。
規則的な生活をしている方と同じ内容の食事でも、食後の血糖は下がりにくくなりますし、内容が偏っていると血糖を下げる材料になる栄養素が吸収されず、高血糖のままになってしまいます。また、睡眠の乱れはコルチゾールの分泌を増やし、食欲を増進させます。さらにストレスに弱くなることがわかっています。これらの結果、糖尿病にかかりやすくなります。
参考)
①糖尿病予備群といわれたら | 糖尿病情報センター (ncgm.go.jp)
②メタボってなに? | 糖尿病情報センター (ncgm.go.jp)
③糖尿病の原因について徹底解説!原因から見る予防と対策 | あおいまる (blue-circle.jp)
糖尿病にならないための対策
後天的要因による糖尿病は、日頃の生活習慣で防げる可能性があります。
- 適切な食事
適切な食事とは、3食をバランスよく食べることです。自分が普段、糖質・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルをどれくらい摂っているか、1日の総カロリー量はどのくらいかを意識し、食生活を改善しましょう。
- 定期的な運動
糖尿病をはじめとする、病気にかかりにくい定期的な運動の指標とは、「1日30分以上」を「週2回以上」が目安です。内容としては、誰でもすぐに始められ手軽なウォーキングがお勧めです。そのほか、いつもよりたくさん体を動かして家事をする、外出先では積極的に階段を使うなども有効です。
- 喫煙、アルコールをやめる・制限する
喫煙に関しては、まさに「百害あって一利なし」で、本数を減らしても糖尿病のリスクを大幅に下げることはできません。禁煙外来を受診するなど周りのサポートを受けながら禁煙を目指しましょう。
アルコールに関しては、適量であれば糖尿病に直結するものではありません。しかし、カロリーが高くなるなど肥満の原因になりやすいため、節酒することをお勧めします。
- 規則的な生活をする
これまでに述べた対策を行えば、規則的な生活につながります。あとは睡眠の質を高めることが大切です。22時~1時の間には就寝する、7時間以上の睡眠時間を確保する、寝る前にブルーライトを浴びない、寝酒をしない、などが挙げられます。
- ストレスをためない
規則的な生活が送れると、ストレスに対しても強くなれます。また、自分にとって何がストレスかを知り、ストレス解消方法を見つけましょう。
まとめ
今回は、糖尿病になりやすい原因と対策についてお話ししました。糖尿病は自覚症状が起きにくい病気です。自分の生活習慣を振り返り、今から対策をとって予防を目指していきましょう。
凶悪な合併症を引き起こす糖尿病を回避するために、まずは身体の状態を詳しく知るために早期受診のお勧めをします。
表参道ヘレネクリニックでは体に負担のかからない再生医療を得意としており、いきなり治療に踏み出せない方の為にも事前カウンセリングを実施しています。
糖尿病は、肥満、過度の飲酒、喫煙などの生活習慣にも関係しておりますが、生活習慣を改善をするのは一般的に難しいといわれています。
そこで自己幹細胞を活用する「再生医療」を用いれば、自身の細胞を使って体内の弱っている細胞を修復し、糖尿病、合併症の予防改善が可能なのです。
「気にはなるけど、 本当に今から予防が必要か判断できない」 「治療するか決まっていないけど、 まずは話を聞いてみたい」 そんな場合も全く問題ありません。気付かないうちに生死をさまようリスクを抱えている場合もございますので、ぜひ一度お気軽にお問合せくださいませ。
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監修:医師 津田康史