脳梗塞は頭の中の血管が詰まることにより生じる病気です。
罹患後は要介護状態となるケースも多く、早期治療が後遺症を残さないための鍵となります。
本記事では、脳梗塞の原因や前兆症状、治療、死亡率と再発率についてご紹介します。
ぜひご自身やご家族の身を守るために、お役立てください。
目次
脳梗塞とは
脳梗塞は脳の血管が詰まることにより、血流が通わなくなった部分の脳細胞がダメージを受けてしまう病気です。脳の細胞は酸素やエネルギーが足りなくなると死滅し、一度死んでしまった脳細胞は二度と蘇りません。その部分が担っていた機能や感覚は失われ、後遺症として残ります。しかし、現在の医療では、発症4.5時間以内に適切な治療を受ければ、後遺症が残らない可能性が高まります。脳梗塞の前兆症状を感じたら、必ず医療機関を受診してください。
脳梗塞の原因
脳梗塞の原因は、下記のタイプによって異なります。
・ラクナ梗塞・・・脳の細い血管が詰まることで発症。
・アテローム血栓性脳梗塞・・・比較的太い血管が動脈硬化によって詰まることで発症。
・心原性脳塞栓症・・・心房細動などの不整脈が原因で、心臓の左心房でできた血栓が脳の血管を詰まらせることで発症。
脳梗塞の危険因子
脳梗塞には脳梗塞の家族歴や、男性、加齢などの危険因子がありますが、下記の疾患や生活習慣の改善が予防につながります。
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症(高脂血症)
・心房細動
・慢性腎臓病
・高尿酸血症
・喫煙習慣
・飲酒習慣
・肥満
・運動不足
・過剰な塩分接種
・ストレス
・メタボリックシンドローム
脳梗塞の前兆症状
脳梗塞はある日突然襲われるケースが多いですが、前兆として一過性脳虚血発作が現れるケースもあります。一過性脳虚血発作とは、脳に十分な血液が通わなくなることにより、下記のような症状が一時的に表れるものです。
・運動、感覚障害・・・左右どちらかの手足が痺れる、温度や痛みがわからない、嚥下障害
・視覚障害・・・視野狭窄、半分の視野が欠ける
・言語障害・・・うまく話せない、呂律が回らない、言葉が理解できない
・バランス障害・・・めまい、ふらつき、歩きづらい
これらの症状は数十分でおさまるため見過ごされることが多いですが、脳梗塞発作を起こす可能性が高い危険な状態です。異変を感じた場合は、直ちに医師の診察を受けましょう。
脳梗塞の治療
脳梗塞の治療は、発症してからできるだけ早くに治療を開始することが重要です。
基本は薬による治療とリハビリテーション、状況や原因に応じて手術やカテーテル治療をおこなうこともあります。
脳梗塞超急性期の治療法
脳梗塞が発症してから4.5時間までの超急性期では、アルテプラーゼ(t-PA)という血栓溶解剤を静脈内投与します。閉塞した血栓を溶解し脳の血流を再開させることが可能で、症状が劇的によくなる可能性があります。
脳梗塞急性期の治療法
脳梗塞急性期では、脳保護薬や微小循環改善薬の点滴による治療をおこないます。
脳梗塞慢性期の治療法
脳梗塞慢性期では、再発防止のための治療やリハビリテーションをおこないます。またコントロールが必要な生活習慣病や心臓病の治療、禁煙・禁酒の指導も必要です。
薬物療法
・抗血小板剤・・・脳梗塞の原因となる血栓の形成を防ぎます。
・抗凝固剤・・・心房細動などによる血液の凝固を阻害します。
・降圧剤・・・脳梗塞慢性期では、ある程度血圧を下げて再発を抑制します。
手術
・血管吻合術(バイパス術)・・・脳の血管が詰まり、血液が行き届かなくなった部分へ血管を繋ぐ手術です。
・頸部内頸動脈内膜剥離術・・・狭窄している動脈を切り開いて、内側にたまったプラークを取り除く手術です。頚動脈狭窄がひどく、薬物治療では不十分な場合におこないます。
頸部内頸動脈ステント・・・狭窄している動脈にステントと呼ばれる網目の金属円筒を留置して、血管狭窄を解消する治療です。
リハビリテーション
脳梗塞による後遺症が残っている場合は、リハビリテーションを実施します。リハビリテーションはできるだけ早くおこなうことで、生きている部分の脳が失われた機能を補う効果が得やすくなるといわれています。
脳梗塞の死亡率
脳梗塞は劇症化する前に発見されるケースが多いため、死亡率は約10%に抑えられています。しかし、後遺症が残ることも多く、早期の治療が重要です。
脳梗塞の再発率
脳梗塞は再発率が非常に高く、1年再発率は約10%、5年再発率は約35%、10年再発率は約50%だといわれています。
回数を重ねるごとに重症化する傾向にあり、再発防止に努めることが重要です。
脳梗塞まとめ
本記事では、脳梗塞ついてご紹介しました。
・脳梗塞で失われた機能や感覚は戻らない
・発症4.5時間以内の治療で予後がよくなる
・疾病や生活習慣の改善が脳梗塞の予防に繋がる
・手足のしびれ、めまい、言語障害などがある場合、前兆症状が疑われる
・脳梗塞の死亡率は約10%
・脳梗塞の10年再発率は約50%
脳梗塞の症状が疑われる場合は、ただちに医療機関を受診しましょう。
一方で自己幹細胞を活用して、体への負担を和らげながら治療できる「再生医療」の技術も進歩しているため、脳卒中予防に取り組みたい方にはおすすめです。
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監修:医師 津田康史