生活習慣病の1つである糖尿病。今や糖尿病患者は、予備軍を含めて6人に1人と言われています。元来、日本人は糖尿病になりやすいと言われており、痩せている人でも糖尿病になるケースがあるのです。
そこで今回は、糖尿病の症状や原因、合併症について解説します。
糖尿病治療中の方や、糖尿病について興味があり、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
糖尿病とは?
糖尿病とは、インスリン(膵臓から出るホルモン)が機能せず、ブドウ糖(血糖)が増える病気のことです。
正常な方の場合、インスリンが機能し、ブドウ糖の値が一定に保たれるように調整されます。
一方で糖尿病になると、ブドウ糖の値が正常値を超え、さまざまな症状や合併症のリスクが増えてしまうのです。
糖尿病の主な症状
糖尿病にはさまざまな症状があります。主な症状は以下の通りです。
- 疲れやすい
- 目がかすむ
- 皮膚が乾燥する
- 体重が減る
- 頻尿になる
- 喉が渇く
- 空腹感を感じる
- 切り傷などの傷が治りにくい
自身で糖尿病か否かを判断する1つの目安として参考にしてみてください。
症状が気になる方は、糖尿病の検査を受けましょう。
糖尿病の種類と原因
糖尿病には大きく分けて4つの種類があります。
それぞれ詳しく解説します。
【糖尿病の種類①】1型糖尿病
膵臓で作られるはずのインスリンがほぼ作られない、あるいは全く作られなくなる病気です。主に若年層に多い病気と言えるでしょう。
1型糖尿病の主な原因は、現代医学でもわかっていません。
何らかの原因で膵臓の細胞が壊され、インスリンが作れなくなることで発症すると言われています。
【糖尿病の種類②】2型糖尿病
膵臓で作られるインスリンの分泌量が足りず、作られたインスリンが血糖値を調整できなくなる病気(インスリン抵抗性)です。主に40歳以上の中高年に多い病気と言えるでしょう。
2型糖尿病は、最も一般的な糖尿病であり、アメリカでは糖尿病患者の10人中9人が該当し、日本人の殆どは2型であると考えられています。
主な原因は、遺伝的な影響や運動不足、過食や肥満などです。
治療方法は、適切な運動と食事をすること。そして、薬の投与やお腹にインスリン注射を行うことです。
【糖尿病の種類③】その他の特定の機序、疾患によるもの
治療薬や糖尿病以外の病気が影響し、血糖値が上昇して糖尿病になる場合があります。
【糖尿病の種類④】妊娠糖尿病
妊娠中に初めて発見され、「血糖値が上昇しているが、糖尿病には至らない状態」になる病気です。
妊娠中、胎盤が作るホルモンがインスリンの機能を抑える作用を持つため、インスリンが十分に作られずに血糖値が上昇します。
糖は赤ちゃんのための重要な栄養素です。少なすぎても多すぎても成長に影響が及びます。赤ちゃんを安全に育てるためにも、適切な血糖値管理が必要です。
糖尿病の3大合併症
糖尿病には「糖尿病の3大合併症」と呼ばれる病気があります。
それぞれ詳しく解説します。
【糖尿病の3大合併症①】糖尿病網膜症
網膜における血流が悪くなり、視力低下や目のかすみが起こる病気です。
症状が進むと、最悪の場合、失明するリスクがあります。
【糖尿病の3大合併症②】糖尿病腎症
腎臓の働きが悪くなり、血圧上昇や体のむくみなどが現れる病気です。
症状が進むと、血液に老廃物が蓄積し、尿毒症や腎不全などの症状が起こります。
【糖尿病の3大合併症③】糖尿病神経障害
神経と神経のまわりの血流が悪くなり、手足の痺れや痛みが起こる病気です。
足の感覚が麻痺し、最悪の場合、足の指が腐ってしまうリスクがあります。
糖尿病検査
糖尿病を診断するための4つの検査について解説します。
自身で糖尿病の可能性があると思う方は、検査を受けてみることをおすすめします。
【糖尿病診断のための検査①】HbA1C検査
HbA1Cとは、すべてのヘモグロビン(赤血球内のタンパク質の1種)の中に糖がどれぐらい含まれるかを示した項目です。
HbA1Cは、過去1ヶ月〜2ヶ月前の血糖値を反映するものであり、当日検査した際の血糖値の影響を受けません。一般的には、HbA1Cの値が6.5%以上の場合、糖尿病と診断されます。
【糖尿病診断のための検査②】早朝空腹時血糖値検査
朝食前の血糖値を測定する検査です。一般的には126mg/dL以上の値の場合、糖尿病と判断されます。
【糖尿病診断のための検査③】75gOGTT検査(75g経口ブドウ糖負荷試験)
早朝空腹時血糖値を測定後、75gのブドウ糖液を飲みます。その後、30分後と60分後、120分後の血糖値を測定するのです。
一般的に、120分後の75gOGTTの値が200mg/dL以上の場合は糖尿病と診断されます。
【糖尿病診断のための検査④】随時血糖値検査
食事時間には関係しない血糖値の値を調べる検査です。一般的に、200mg/dL以上ある場合は糖尿病と診断されます。
糖尿病診断基準
一般的に以下の基準で糖尿病診断が可能です。
①の条件を満たす、もしくは②か③、④のいずれかの条件を満たすかで糖尿病と診断されます。
以下、詳細な診断基準です。知識として知っておきましょう。
①HbA1Cが6.5%以上になる
②早朝空腹時血糖値126mg/dL以上
③75gのブドウ糖を飲んで120分後における75gOGTTの値が200mg/dL以上
④随時血糖値200mg/dL以上
まとめ
今回は、糖尿病の症状や原因、合併症について解説しました。
糖尿病は、現代人が発症しやすい病気の1つです。
糖尿病の主な症状としては、倦怠感や頻尿、空腹感やのどの渇きなどが挙げられます。
主な治療法としては、薬の投与やインスリン注射、適切な食事や運動を行うことです。
糖尿病にはさまざまな種類があり、合併症にもさまざまなものがあります。
早期治療しなければ、最悪の場合、症状が悪化して重症になる危険性があるのです。
糖尿病の主な症状に該当する方は、糖尿病のリスクがあります。事態が悪化する前に適切な検査を行い、医師に診断してもらいましょう。糖尿病治療中の方は、病気としっかり向き合い、治療を継続してください。
一方で自己幹細胞を活用して、体への負担を和らげながら治療できる「再生医療」の技術も進歩しているため、糖尿病に悩んでいる方、糖尿病を予防したい方にはおすすめです。
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監修:医師 津田康史